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クリニカルスペシャリストの
志望動機ってどう語る?

クリニカルスペシャリストと
企業看護師の違い

企業看護師は従業員の健康管理が職務

 クリニカルスペシャリストとは、いわゆる企業看護師のことではありません。医療機器メーカーという企業(事業会社)で働くという意味では、確かにクリニカルスペシャリストは企業看護師の一種といえるかもしれませんが、企業看護師(保健師)のように自社の従業員向けに健康管理などの医療行為を行うことを目的に雇用されているわけではありません。クリニカルスペシャリストは医療機器メーカーの職員として、自社の営業職に同行して臨床的・専門的な見地から営業職の販売活動をサポートしたり、自社が取り扱う医療機器の使用方法の説明やデモンストレーションを行ったり、あるいは、医師・看護師などの医療従事者向けに説明会や研究会を開催したりするなど、自社の営業活動全般を支援するのがその役割となります。


クリニカルスペシャリストは営業支援

 なぜ、医療機器メーカーはクリニカルスペシャリストを採用するのか、看護師に営業支援のお仕事をさせようと考えるのか。医療機器メーカーの営業職は、日々勉強はしているものの、医師や看護師のような国家資格をもつ医療従事者には専門性で敵わないことが多々あります。そんな時に、臨床経験もある看護師有資格者が、医療従事者の言葉で医療従事者向けにわかりやすく製品の説明をしてくれれば、それだけで説得力も増しますし、製品購入に直結しやすいという判断が医療機器メーカー側にはあるようです。

夜勤なし/完全週休2日は両者とも共通

 クリニカルスペシャリストは労働条件面も特徴的です。医療機器メーカーという事業会社で働きますので、完全週休2日で、土日は「ほぼ」休みとなります。「ほぼ」といいますのは、クリニカルスペシャリストはその職務上、土日に開催される学会や展示会に出席して、営業支援活動をする場合がありますので、そのような繁忙期には土日の出勤もあり得るからです。それに対して、企業看護師の場合ですと、まさに「完全」週休2日で、土日の出勤は余程のことがない限りはあり得ません。また、看護師として病院に勤務しますと、救急やICU、病棟勤務などの場合は、夜勤はまず避けられませんが、夜勤がないのは、クリニカルスペシャリストと企業看護師に共通した特徴といえそうです。

売上拡大や利益拡大に貢献する
聖職者

医療機器メーカーは営利企業です!

 クリニカルスペシャリストには向き/不向きがあるようで、この点は注意が必要です。すべての看護師がクリニカルスペシャリストに向いているかといいますと、必ずしもそうとは限らないのが実情です。例えば、聖職者としてあくまで臨床現場で自らの医療行為により貢献したいとお考えの方、企業による営利活動・利益追求などには全くご関心のない方などは、不向きといえるかもしれません。逆に、優れた最先端の医療機器を全国津々浦々の臨床現場に啓蒙するお手伝いがしてみたいとお考えの方、人前で発表したりお話をするのが得意で自由に外を飛び回るようなお仕事がしてみたいとお考えの方、自社の売上拡大や利益拡大が自身の給与増に反映されるような給与制度のもとで働いてみたいとお考えの方などは、クリニカルスペシャリストに向いていると思います。

説明や発表そのものが目的ではない

 最も重要なポイントは、医療機器メーカーはあくまで営利企業であるということです。クリニカルスペシャリストによる説明や発表がうまく出来たとしても、それが自社の売上増に結びつきませんと、あまり意味がないといえるかもしれません。自社の医療機器が臨床現場のどのような課題にどのように役立つのか、他社製品と比較した際の優位性はどこにあるのか、それらを効果的に訴え、売上増に結び付けないといけません。クリニカルスペシャリストによる説明や発表は、臨床現場で医療従事者として経験してきた研究発表などとは、その性格が大きく異なっており、説明や発表そのものが目的ではないことを肝に銘じる必要があるのです。

クリニカルスペシャリストに
なろうとする志望動機

企業看護師は労働条件だけでも応募可

 土日が休みであること、夜勤がないことなどはとても魅力的であると考える方も多く、企業看護師(保健師)になろうとする志望動機が、それら労働条件面であったとしても、それはそれで十分な動機となりますし、それにより面接が頓挫してしまうことはまずないようです。そもそも看護師というライセンスビジネスはとても優遇されていて、いつでも売り手市場であり、多少転職を繰り返したとしても、働く場所がないという状況になることはまずあり得ません。労働条件面だけを志望動機として語ることが許される、とても稀有な職業といえるかもしれません。


労働条件面以外での志望動機が必須!

 しかしながら、クリニカルスペシャリストの場合は企業看護師とは異なり、クリニカルスペシャリストになろうとする志望動機が、それら労働条件面だけですと採用されないかもしれません。なぜ臨床現場で医療行為に勤しむのではなく、クリニカルスペシャリストになろうとしているのか。土日が休みであること、夜勤がないことなどの労働条件面以外での志望動機は何か、それらを面接では必ず問い質されます。前述の通り、クリニカルスペシャリストは土日に開催される学会や展示会に出席して、営業支援活動をする場合もありますので、土日が休みであることだけを志望動機にされてしまっては、採用側も触手が伸びないものです。逆に、ご自身の志向性や価値観と照らし合わせてみて、労働条件面以外でうまく志望動機を語れるのであれば、クリニカルスペシャリストとして採用してくれる企業様は必ずあるはずです。

医師の指示待ちではない自由度を求めて…

 例えば、アメリカで看護師のライセンスを取得したような方の場合、アメリカでは看護師としての職務にかなりの自由度が与えられていて、その自由度を維持したいために、日本帰国後は臨床ではなく医療機器メーカーでクリニカルスペシャリストとして働きたいとお考えの方もいらっしゃいます。日本国内の臨床現場で看護師として働く場合、看護師単独で出来る医療行為にはかなりの制約があり、医師の指示を待たないとできない医療行為がとても多いのが現状としてあるようです。自由度のあるお仕事がしたいというご志向の看護師には、クリニカルスペシャリストはとてもマッチしたお仕事であると当社は考えています。

閉鎖的な職場から脱却。いろいろな現場で…

 また、ある特定の医療現場にとらわれることなく、いろいろな医療現場を見てみたいというご志向の看護師にも、クリニカルスペシャリストはとてもマッチしたお仕事であると当社は考えています。医療機器メーカーにもよりますが、クリニカルスペシャリストは各地の病院を訪問するために、多いと月の3分の2ほどを出張対応しており、宿泊を伴う出張がある場合もあるようです。特に、全国に営業所がなく、本社を拠点に全国をカバーしている、黎明期の医療機器メーカーの場合などは、まさに北海道から九州まで全国を旅して回ることになる場合もあります。他方、創業から10年以上経過し、全国に営業所がすでに整備されている医療機器メーカーの場合ですと、ほとんどは日帰りの出張で、出張の範囲も限られ、例えば関東エリア内などに限定されますので、さほどの負担にはならないようです。既婚/未婚あるいはご家族の事情などにより、出張の可否は異なってくるかもしれませんが、この点でもしご不安があれば、面接などでどのエリアが担当になるのか、出張はどの程度あるのか、などを事前によく確認しておく必要がありそうです。

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